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WSL container(wslc.exe)とは?導入手順と使い方を解説【パブリックプレビュー対応・2026年7月更新】

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「WindowsでLinuxコンテナを動かすのに、Docker Desktopを別で入れるのが手間」「ライセンスの都合でDocker Desktopが使えない」「WSLと一体でもっと軽くコンテナを回したい」——そんな声に応える機能が、2026年6月30日にパブリックプレビューとして公開されました。

WSL container(略称 WSLc)は、Linuxコンテナを追加ツールなしでWindowsから直接扱える機能です。CLIは wslc.exe。この記事では、実際の導入手順・コマンド・現時点の制限を、公式情報にあたって整理します。

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【訂正】2026年7月25日

本記事は当初「WSL3とあわせて発表された機能」「WSL3対応PC(Copilot+ PC等)が前提」と記載していましたが、「WSL3」は存在しない誤報でした。Microsoftが公式に否定しています。WSL container はWSL2の上に載る追加機能であり、特定のPCを必要としません。パブリックプレビュー公開に伴い、実際の仕様・コマンドに全面更新しました。経緯はWSL3は存在しない|誤報の正体にまとめています。

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30秒で要点

WSL container(WSLc) は、Linuxコンテナを追加ツールなしでWindowsから扱う機能。CLIは wslc.exe
2026年6月30日パブリックプレビュー公開。GA(正式提供)は2026年秋目標
・入手は wsl --update --pre-releaseWSL 2.9.3以上が必要
Windows 10でも動作する。特定のCPU/NPUは不要
virtiofs でファイルアクセス約2倍高速、新ネットワークスタック consomme--gpus でGPUパススルー
Docker Compose は未対応。Docker Desktop等とは共存の位置づけ


[目次を開く]

1. WSL container(wslc)とは

WSL container は、Build 2026で発表され、2026年6月30日にパブリックプレビューとして公開された機能です。Windows上でLinuxコンテナを作成・実行・操作するためのCLI wslc.execontainer.exe というエイリアスもあります)とAPIが提供されます。

位置づけとして重要なのは、これがWSL2を置き換えるものではないという点です。既存のWSL2の仕組みの上に載る追加レイヤーです。

flowchart TB
    A["Windows 11 / Windows 10"] --> B["Hyper-V 軽量VM<br>WSL2 の基盤 ※変更なし"]
    B --> C["WSL2 Linux カーネル"]
    C --> D["Linux ディストリビューション<br>Ubuntu / Debian など"]
    C --> E["WSL container<br>wslc.exe ← 今回の新機能"]
⚠️
一時期「WSL 3の目玉機能」として報じられましたが、「WSL 3」は存在しません。WSL担当PMのCraig Loewen氏が2026年6月23日に公式否定しています。略称「WSLc」を「WSL 3」と誤読したのが誤報の発端でした。

2. 動作要件と導入手順

必要なのはWSL 2.9.3以上のプレリリース版だけです。特定のCPUやNPUは不要で、Windows 10でも動作することをLoewen氏が確認しています。

# WSL をプレリリース版に更新する
wsl --update --pre-release

# バージョン確認(2.9.3 以上であること)
wsl --version

# 使えるようになったか確認
wslc --help

GitHubから直接ダウンロードしてインストールすることもできます。


3. 基本コマンド

Docker CLIに近い操作感です。公式ブログで示されている実例を挙げます。

コンテナを起動する

# Linux デスクトップ環境(webtop)をバックグラウンドで起動
wslc run -d --name=webtop -e PUID=1000 -e PGID=1000 -e TZ=Etc/UTC \
  -p 3000:3000 -p 3001:3001 lscr.io/linuxserver/webtop:ubuntu-kde

起動後、ブラウザで localhost:3000 にアクセスするとLinuxデスクトップが表示されます。

GPUを渡して使う

wslc run --rm --gpus all pytorch/pytorch:2.5.1-cuda12.4-cudnn9-runtime \
  python -c "import torch; print(torch.cuda.is_available())"

True が返ればコンテナ内からGPUが使えています。GPUの受け渡しはContainer Device Interface経由です。

セッションを終了する

wslc.exe system session terminate

4. 何が速くなったのか

WSL container の実体はCLIの追加だけではありません。WSLの下層プラットフォームに改善が入っています。

要素 内容
virtiofs 新しいファイルシステム共有方式。ファイルアクセスが約2倍高速
consomme 新しいネットワークスタック
メモリ管理 使い終わったメモリを段階的にWindowsへ返却
GPU --gpus フラグでコンテナにGPUを渡せる

なお virtiofsconsomme は、現時点ではWSL container内でのみ有効です。通常のWSLへ既定で適用するのは今後の予定とされています。


5. Docker Desktopとの関係

「Docker Desktop代替」と語られがちですが、Microsoft自身は共存の立場を明示しています。公式ブログでは、Docker Desktop・Podman Desktop・Rancher Desktopといった既存ツールも、今回の下層プラットフォーム改善の恩恵を受けると説明されています。

機能面の現状は次のとおりです。

観点 Docker Desktop WSL container(wslc)
提供形態 別アプリ WSLに内蔵
操作 docker CLI / GUI wslc.exe / API
Docker Compose 対応 未対応(「最も要望の多い機能」として検討中とMicrosoftが回答)
GPU 対応 対応(--gpus
成熟度 成熟したエコシステム パブリックプレビュー(GAは2026年秋目標)
本番利用 APIのみサポート予定。CLIは開発用途想定

Docker Composeを日常的に使っているチームは、当面Docker Desktopの継続利用が現実的です。単発のコンテナ実行や環境の使い捨てには wslc が軽快です。


6. 現時点の制限と注意点

プレビュー段階のため、次の点を把握しておいてください。

  • Docker Compose 未対応。複数コンテナの構成管理はできません
  • 本番利用はAPIのみサポート予定。CLIは開発用途が想定されています
  • virtiofs / consommeWSL container内でのみ有効。通常のWSLへの適用は今後
  • USBデバイスのパススルー(--device--privileged)については、現時点で明確な提供状況が示されていません
  • 企業導入向けには、Intuneによるレジストリ許可リスト、Microsoft Defender for Endpoint連携(プライベートプレビュー)が予定されています

まとめ

  • WSL container(wslc.exe は、Linuxコンテナを追加ツールなしでWindowsから扱える機能です
  • 2026年6月30日パブリックプレビュー公開、GAは2026年秋目標
  • 導入は wsl --update --pre-release のみ。WSL 2.9.3以上が必要で、Windows 10でも動作します
  • virtiofs でファイルアクセス約2倍--gpus でGPUパススルーに対応
  • Docker Compose は未対応。Docker Desktopとは共存の位置づけで、既存ツールも下層改善の恩恵を受けます
  • 「WSL3の機能」という報道は誤報でした。WSL container はWSL2の上に載る追加機能で、特定のPCを必要としません

よくある質問(FAQ)

Q. WSL container を使うのに特別なPCは必要ですか?

不要です。 「Copilot+ PCやSnapdragon X Elite搭載機が必要」という情報は誤報でした。WSLが動作する大半のWindows環境で使え、Windows 10でも動作します。必要なのはWSL 2.9.3以上のプレリリース版だけです。

Q. Docker Desktopは不要になりますか?

用途によります。Docker Compose が未対応なので、Composeを使っているチームは当面Docker Desktopが必要です。Microsoftも共存の立場を明示しており、Docker Desktop・Podman・Rancherも今回の下層改善の恩恵を受けるとしています。

Q. 本番環境で使えますか?

現時点ではパブリックプレビューです。Microsoftは「WSL container API については本番利用をサポート予定」としていますが、CLIは開発用途が想定されています。本番採用はGA(2026年秋予定)以降が無難です。

Q. Dockerイメージはそのまま使えますか?

はい。公式ブログの例でも lscr.io/linuxserver/webtoppytorch/pytorch といった一般的なコンテナレジストリのイメージがそのまま使われています。

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