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DockerでRails環境を構築する手順

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Dockerを使うことで、Ruby on Railsの開発環境を簡単に構築し、環境の違いによる問題を解決できます。本記事では、Dockerを使ってRailsの開発環境を構築する方法を詳しく解説します!

💡
前提条件

Dockerについて基礎的な知識があること

構築する環境

  • Rails 7
  • Ruby latest(最新版)
  • PostgreSQL latest(最新版)

Dockerについておさらいしたい人は以下の記事を参照してください。

📄Arrow icon of a page linkDockerとは何か?その概要と利点を解説

📄Arrow icon of a page linkDockerインストール方法:OS別ガイド


[目次を開く]

1. プロジェクトディレクトリの作成

mkdir myapp
cd myapp

解説:

  • mkdir myapp: 新しいディレクトリ myapp を作成します。これは、Railsプロジェクトを含むディレクトリです。
  • cd myapp: myapp ディレクトリに移動します。以降の操作はすべてこのディレクトリ内で行います。

2. Dockerfile の作成

# Dockerfile

FROM ruby:latest

# 必要なパッケージをインストール
RUN apt-get update -qq && apt-get install -y nodejs postgresql-client

# 作業ディレクトリの作成と設定
RUN mkdir /myapp
WORKDIR /myapp

# GemfileとGemfile.lockをコピーして依存関係をインストール
COPY Gemfile /myapp/Gemfile
COPY Gemfile.lock /myapp/Gemfile.lock
RUN gem install bundler && bundle install

# アプリケーションのソースコードをコピー
COPY . /myapp

# ポートの公開
EXPOSE 3000

# サーバーの起動コマンド
CMD ["rails", "server", "-b", "0.0.0.0"]

解説:

  • FROM ruby:latest: Rubyの最新バージョンのDockerイメージをベースとして使用します。
  • RUN apt-get update -qq && apt-get install -y nodejs postgresql-client: Node.js(RailsのJavaScriptランタイムとして必要)とPostgreSQLクライアントをインストールします。これにより、RailsアプリケーションがJavaScriptを処理でき、PostgreSQLデータベースに接続できるようになります。
  • RUN mkdir /myapp: /myapp ディレクトリを作成します。これはアプリケーションのルートディレクトリとして使用されます。
  • WORKDIR /myapp: 作業ディレクトリを /myapp に設定します。以降のコマンドはこのディレクトリ内で実行されます。
  • COPY Gemfile /myapp/GemfileCOPY Gemfile.lock /myapp/Gemfile.lock: ホストマシンの GemfileGemfile.lock をコンテナ内の /myapp ディレクトリにコピーします。
  • RUN gem install bundler && bundle install: Bundlerをインストールし、Gemfile に記載されているGemをインストールします。
  • COPY . /myapp: ホストマシンのカレントディレクトリ(すべてのアプリケーションファイル)をコンテナ内の /myapp ディレクトリにコピーします。
  • EXPOSE 3000: Dockerコンテナが外部に公開するポートを指定します。Railsサーバーはデフォルトでポート3000を使用します。
  • CMD ["rails", "server", "-b", "0.0.0.0"]: コンテナが起動したときに実行するコマンドを指定します。ここでは、Railsサーバーを起動しています。

3. docker-compose.yml の作成

services:
  db:
    image: postgres:latest
    environment:
      POSTGRES_USER: postgres
      POSTGRES_PASSWORD: password
      POSTGRES_DB: myapp_development
    ports:
      - "5432:5432"
    volumes:
      - pgdata:/var/lib/postgresql/data

  web:
    build: .
    command: bash -c "rm -f tmp/pids/server.pid && bundle exec rails s -b '0.0.0.0'"
    volumes:
      - ".:/myapp"
    ports:
      - "3000:3000"
    depends_on:
      - db

volumes:
  pgdata:

解説:

  • version: '3': Docker Composeファイルのバージョンを指定します。
  • services: Docker Composeで管理するサービスを定義します。
    • db: PostgreSQLデータベースサービスを定義します。
      • image: postgres:latest: 最新のPostgreSQL Dockerイメージを使用します。
      • environment: 環境変数を設定します。これにより、PostgreSQLのユーザー、パスワード、データベース名を指定します。
      • ports: ホストのポート5432をコンテナのポート5432にマッピングします。
    • web: Railsアプリケーションサービスを定義します。
      • build: .: カレントディレクトリにあるDockerfileを使用してイメージをビルドします。
      • command: コンテナ起動時に実行するコマンドを指定します。tmp/pids/server.pid を削除してからRailsサーバーを起動します。
      • volumes: ホストのカレントディレクトリをコンテナ内の /myapp にマウントします。これにより、ホスト側の変更がコンテナに反映されます。
      • ports: ホストのポート3000をコンテナのポート3000にマッピングします。
      • depends_on: db サービスが起動してから web サービスを起動するようにします。
      • environment: DATABASE_URL 環境変数を設定します。これにより、RailsアプリケーションがPostgreSQLデータベースに接続できます。

※既にポートが埋まっているなどのエラーが表示される場合はホストのポートを3001などに変更してみてください。

4. Gemfile と Gemfile.lock の作成

touch Gemfile
touch Gemfile.lock

# Gemfile

source 'https://rubygems.org'
gem "rails", "~> 7.0.8", ">= 7.0.8.4"

解説:

  • touch GemfileGemfile を作成します。
  • touch Gemfile.lock: 空の Gemfile.lock ファイルを作成します。Gemfile.lock は、bundle install コマンドによって生成される依存関係のロックファイルです。

5. Rails アプリケーションの初期化

docker-compose run web rails new . --force --no-deps --database=postgresql

解説:

  • docker-compose run web: web サービスを一時的に起動します。
  • rails new . --force --no-deps --database=postgresql: 新しいRailsアプリケーションを現在のディレクトリに作成します。-force は既存のファイルを上書きし、-no-deps は依存関係をインストールしないオプションです。-database=postgresql はデータベースにPostgreSQLを使用することを指定します。

6. Gemfile の修正

Gemfile を再度開き、rails の行の上に以下の行を追加します。

gem 'pg', '~> 1.1'

解説:

  • gem 'pg', '~> 1.1': PostgreSQLデータベースを使用するための pg gem を追加します。

7. データベース設定ファイルの修正

config/database.yml ファイルを修正して、PostgreSQLの設定を行います。

# config/database.yml

default: &default
  adapter: postgresql
  encoding: unicode
  pool: 5
  username: postgres
  password: password
  host: db

development:
  <<: *default
  database: myapp_development

test:
  <<: *default
  database: myapp_test

production:
  <<: *default
  database: myapp_production
  username: myapp
  password: <%= ENV['MYAPP_DATABASE_PASSWORD'] %>

解説:

  • adapter: postgresql: PostgreSQLを使用することを指定します。
  • encoding: unicode: データベースのエンコーディングを指定します。
  • pool: 5: データベース接続のプールサイズを指定します。
  • username: postgrespassword: password: データベースに接続するための認証情報を指定します。
  • host: db: Docker Composeで定義されたデータベースサービスのホスト名を指定します。
  • development, test, production: 各環境に対応するデータベース設定を定義します。

8. 依存関係のインストール

docker-compose build
docker-compose run web bundle install

解説:

  • docker-compose build: Dockerイメージをビルドします。
  • docker-compose run web bundle install: 一時的に web サービスを起動し、bundle install コマンドを実行してすべての依存関係をインストールします。

9. データベースの作成とマイグレーション


docker-compose run web rails db:create
docker-compose run web rails db:migrate

解説:

  • rails db:create: データベースを作成します。
  • rails db:migrate: データベースのマイグレーションを実行します。これにより、データベースのスキーマが最新の状態になります。

10. アプリケーションの起動

docker-compose up -d

解説:

docker-compose up: すべてのサービス(webdb)を起動します。これにより、Railsアプリケーションがポート3000で起動します。

これで、ブラウザで http://localhost:3000 にアクセスして、Railsのウェルカムページが表示されることを確認してください。これらの手順を実行することで、Dockerを使用してRails 7と最新のRuby、PostgreSQLを含む開発環境が構築されます。

11.不要なコンテナを削除

docker-compose updocker-compose run コマンドを繰り返し実行すると、同じ名前のサービスコンテナが複数作成されることがあります。これらのコンテナは、使用していない限り削除して問題ないので削除します。

まとめ

Webサーバ上で動くアプリケーション、いわゆるクライアントとホストの概念を理解するのにDockerは最適なので不明点はしっかり復習し抑えておきましょう!

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