「Claude Codeの /goal コマンドって何?」→ 「完了条件」を決めると、それを満たすまでClaudeが自動でターンを回し続けてくれるコマンドです。毎回「もう一回やって」と指示しなくても、ゴールに向かって勝手に進めてくれます(達成したら自動で終了)。
これは、先日解説した「Loop Engineering(ループエンジニアリング)」の「検証可能なゴールを決めて自走させる」考え方を、Claude Code上でそのまま使えるようにしたものです。本記事では /goal の仕組み・使い方・条件の書き方・注意点までを公式情報ベースで図解します。
/goal は Claude Code v2.1.139 以降 で使えます。古い場合は claude update 等でアップデートしてください。 お問合せはこちら
[目次を開く]
1. /goalコマンドとは
/goal は、完了条件を設定し、その条件が満たされるまでClaudeがターンをまたいで作業し続けるコマンドです。通常はClaudeが1ターンごとに手を止めてあなたの指示を待ちますが、/goal を使うと「条件を満たしたか?」を毎回チェックし、まだなら次のターンを自動で始めます。
向いているのは、「検証可能な終了状態」があるまとまった作業です(例:テストが全部通るまで、ビルドが通るまで、Issueキューが空になるまで)。
2. /goalの仕組み
/goal の最大の特徴は、「作業するAI」と「完了を判定するAI」が分かれている点です。毎ターン後に、別の小型モデル(既定Haiku)が評価役として条件をチェックします。
flowchart TD
A["/goal <条件> を設定"] --> B["Claudeがターンを実行<br>(作業役)"]
B --> C{"評価役(小型モデル=既定Haiku)<br>条件を満たした?"}
C -->|"No(理由を次ターンへ)"| B
C -->|"Yes"| D["ゴール達成<br>自動でクリア・記録"] - 評価役は Yes/No と短い理由 を返します。No ならその理由が次ターンのガイドになり、Yes ならゴールをクリアして「達成」として記録されます。
- 重要: 評価役はコマンドを実行したりファイルを読んだりしません。「会話(トランスクリプト)に出た内容」だけで判定します。だから条件はClaudeの出力で証明できる形で書くのがコツです(次4章)。
仕組みとしては、/goal は セッション限定の「プロンプトベースのStopフック」のラッパーです。Stopフック(ターン終了時に走るフック)については姉妹記事もどうぞ。
📄Claude Code Hooks 活用ガイド|自動化・通知・CI連携の実践レシピ集【2026年版】
3. 基本の使い方
ゴールを設定する
/goal に続けて、満たしたい条件を書きます。設定した瞬間に最初のターンが始まるため、別途プロンプトを送る必要はありません。
/goal all tests in test/auth pass and the lint step is clean ゴールが有効の間は ◎ /goal active インジケータが表示され、経過時間がわかります。ゴールは1セッションに1つだけ有効にできます(新しく設定すると置き換わり)。
状況を確認する
引数なしで /goal を実行すると、現在の条件・経過時間・評価したターン数・トークン消費・評価役の最新の理由が見られます。
/goal ゴールを途中で止める
条件達成前に止めるには /goal clear を使います(stop off reset none cancel も同義。/clear で新しい会話を始めても解除)。
/goal clear セッションを再開しても継続
ゴールが有効なままセッションが終わっても、--resume / --continue で再開すれば条件は引き継がれます(ただしターン数・タイマー・トークン集計はリセット)。
4. 効果的な条件の書き方
評価役は「会話に出た内容」で判定するので、Claude自身の出力で証明できる条件にします。効く条件は次の3要素を含みます。
flowchart LR
G["効果的な /goal 条件"] --> E1["① 測定可能な終了状態<br>テスト結果/終了コード/件数/空キュー"]
G --> E2["② 証明方法(チェック)<br>例: npm test が exit 0"]
G --> E3["③ 守るべき制約<br>例: 他のテストは変更しない"] - 良い例: 「
test/authの全テストが通り、npm testが exit 0。他のテストファイルは変更しない」→ Claudeがテストを実行し結果が会話に残るので評価できる。 - 悪い例: 「コードをいい感じにして」→ 測定不能で評価役が判定できない。
条件は最大4,000文字まで。暴走を防ぐには、条件に 「or stop after 20 turns」のようなターン/時間上限の句を入れておくと安心です。
5. 非対話(ヘッドレス)で使う
/goal はヘッドレスモード・デスクトップアプリ・Remote Controlでも使えます。-p で渡すと、1回の実行でループを最後まで回し切ります。
claude -p "/goal CHANGELOG.md has an entry for every PR merged this week" 途中で止めるときは Ctrl+C で中断します。CIや定期ジョブに組み込むと、「条件を満たすまで自動で仕事をさせる」運用ができます。
6. /loop・Stopフック・autoモードとの違い
セッションを回し続ける方法は他にもあります。「次のターンを何が始めるか」で選びます。
| 方法 | 次のターンの起点 | 止まる条件 |
|---|---|---|
| /goal | 前のターンが終わったとき | モデルが条件達成を確認したとき |
| /loop | 一定時間が経過したとき | 手動で止めるか、Claudeが完了と判断 |
| Stopフック | 前のターンが終わったとき | 自分のスクリプト/プロンプトが判断 |
| autoモード | (ターン内のツール承認を自動化するだけ) | Claudeが作業完了と判断したとき |
ポイントは、/goal は完了を「作業をしたモデル」ではなく「別の評価モデル」が判定する点。autoモードとは補完関係で、autoモード=ツールごとの承認を省く / /goal=ターンごとの指示を省く。併用すれば無人でゴールまで走ります。
7. 注意点
- 評価役はツールを実行しない。会話に出ていない事実は判定できないので、Claudeにテスト結果等を実際に出力させる条件にする。
- 信頼したワークスペースでのみ動作。
/goalはhooksシステムの一部なので、トラストを許可していないワークスペースや、disableAllHooks/ 管理設定のallowManagedHooksOnlyが有効な場合は使えません(理由を表示してくれます)。 - コスト: 評価は小型モデルで行われ、メインのターンに比べれば負担はわずか。ただし作業本体は何ターンも回るとトークンを使うので、条件にターン/時間上限の句を入れて暴走を防ぐ。
- 無人で回すなら auto モードを併用すると、ツール承認で止まらずに進みます(その分権限には注意)。
8. 活用例
- API移行: すべての呼び出し箇所がコンパイルしテストが通るまで、モジュールを新APIに移行。
- 設計書の実装: すべての受け入れ基準(acceptance criteria)を満たすまで実装。
- 大きなファイルの分割: 各ファイルがサイズ上限を下回るまで、集中したモジュールに分割。
- Issueバックログ消化: ラベル付きIssueのキューが空になるまで処理。
まとめ
/goal は、「検証可能な完了条件」を渡してClaudeをゴールまで自走させる、Loop EngineeringをClaude Codeで手軽に体験できるコマンドです。
- 使い方:
/goal <条件>で設定、/goalで状況確認、/goal clearで解除。 - コツ: 条件は「測定可能な終了状態+証明方法+制約」で、Claudeの出力で証明できる形に。
- 安全: ターン/時間上限の句を入れ、信頼したワークスペースで使う。
まずは「テストが全部通るまで」のような小さなゴールから試すのがおすすめです。
Claude Codeの業務導入・運用設計のご相談は、お問合せフォームよりお気軽にどうぞ。
お問合せはこちら
よくある質問 (FAQ)
質問をみる
Q: /goalはどのバージョンから使えますか?
A: Claude Code v2.1.139 以降です。それより古い場合はアップデートしてください。
Q: /loop と何が違いますか?
A: /goal は「条件を満たすまで」次ターンを始めます(达成をモデルが判定)。/loop は「一定時間ごと」に再実行します。条件達成型なら/goal、定期実行型なら/loop。
Q: コストが心配です。
A: 評価自体は小型モデル(既定Haiku)で僅少ですが、作業本体はターンごとにトークンを使います。条件に「or stop after N turns」を入れて上限を設けましょう。
Q: /goal が使えない(表示されない)のはなぜ?
A: v2.1.139未満、未信頼のワークスペース、または hooks が無効化(disableAllHooks 等)のときです。コマンドが理由を教えてくれます。
関連記事
📄Loop Engineeringとは?プロンプトエンジニアリングの次に来るAIエージェント設計|仕組み・5要素・実践を図解【2026年最新】
📄Claude Code Hooks 活用ガイド|自動化・通知・CI連携の実践レシピ集【2026年版】
📄CLAUDE.md の書き方完全ガイド:Claude Code にプロジェクトコンテキストを正しく伝える
