現代のITシステムにおいて、データは「資産」とも言えるほど重要な存在です。そのデータを効率的に蓄積・管理・活用するために欠かせないのが「データベース(DB)」と「リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)」です。
この記事では、DBとRDBMSの違いから、それぞれの役割、代表的なシステムまで、わかりやすく解説していきます。
DB(データベース)とは?
DBとは「Database(データベース)」の略で、簡単に言えば大量のデータを整理して蓄積・管理するための仕組みです。
たとえば、オンラインショップなら「顧客情報」「商品情報」「注文履歴」など、さまざまな情報が発生します。それらの情報を効率的に扱えるようにするのがデータベースです。
DBは単なるデータの集まりではなく、検索性・整合性・再利用性などを重視して構成されています。現代ではExcelのような表形式のものから、画像、動画、テキストデータまで、様々な形式のデータが扱われるようになっています。
RDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)とは?
RDBMSとは「Relational Database Management System」の略で、リレーショナルモデルに基づいたデータベースを管理するためのソフトウェアです。
1970年代にエドガー・F・コッド博士が提唱した「リレーショナルモデル」に基づき、データを表(テーブル)形式で扱うのが特徴です。
RDBMSの主な機能は以下のとおり:
- データの格納と取得
- データの整合性と一貫性の保持
- 複数ユーザーによる同時アクセス管理(トランザクション制御)
- データのバックアップとリカバリ機能
つまり、DBという「器」を制御・管理するための「頭脳」とも言える存在です。
DBとRDBMSの違い
項目 | DB | RDBMS |
定義 | データの集合 | データベースを操作・管理するソフトウェア |
データ構造 | 様々(表形式、グラフ形式、キー・バリュー型など) | 表形式(テーブル) |
主な用途 | あらゆる情報管理 | 構造化データの管理に特化 |
例 | JSONファイル、XML、NoSQLなど | MySQL、PostgreSQL、Oracle、SQL Server など |
つまり、RDBMSはDBの一種であり、RDBMSによって構築されたDBがリレーショナルデータベース(RDB)と呼ばれます。
代表的なRDBMS
現在、広く使われているRDBMSには以下のようなものがあります:
- MySQL:オープンソースで多くのWebアプリで利用
- PostgreSQL:高機能かつ拡張性が高い
- Oracle Database:エンタープライズ向けに強い信頼性と性能を持つ
- Microsoft SQL Server:Windows環境との親和性が高い
これらのRDBMSは、それぞれに強みや用途が異なり、プロジェクトに応じて最適な選択が求められます。
またこれらのことを現場ではRDBMSと呼称せずに単にDBと呼ぶことが一般的です。話の中でDBという単語が出てきた際は、文脈を読み取ってDBのことを指しているのか、RDBMS、またデータの集合のことを指しているのか、データを管理するシステムのことを指しているのか、などを判断する必要があります。不明な場合は、ここでいうDBは、なんのことを指していますか?と必ず確認するようにしましょう。
まとめ
DBは「データの保管庫」、RDBMSはその保管庫を効率よく運用・管理するためのソフトウェアと考えるとわかりやすいでしょう。
ITエンジニアを目指す方はもちろん、ビジネスでデータを活用したい方にとっても、DBとRDBMSの基本を理解することは非常に重要です。