ソフトウェア開発の現場で頻繁に耳にする「Git」。このツールは、分散型バージョン管理システム(VCS: Version Control System)の一種であり、ソースコードの管理やコラボレーションにおいて非常に重要な役割を果たします。Gitは開発者が行った変更を追跡し、チームメンバー全員が同じプロジェクトで効率的に作業できるようにするための強力なツールです。この記事では、Gitのインストール方法をOSごとに解説し、初心者でも簡単に始められるようにステップバイステップで説明します。
Gitとは?
まず、Gitの基本的な役割について簡単に説明します。Gitは、ソースコードやプロジェクトの変更履歴を管理するためのツールです。これにより、過去の状態に戻すことができたり、複数人で共同作業をスムーズに行うことが可能になります。また、Gitは分散型バージョン管理システムであるため、インターネットに接続していない状態でも作業が進められ、ローカルに保存された変更を後でリモートリポジトリにプッシュすることができます。これにより、プロジェクトのスムーズな進行と管理が実現します。
では、さっそくGitのインストール手順について詳しく見ていきましょう。
WindowsにGitをインストールする手順
1. Git公式サイトからインストーラーをダウンロード
まず、Git公式サイトにアクセスして、Windows用のインストーラーをダウンロードします。

トップページにある「Download for Windows」ボタンをクリックして、最新のバージョンを取得しましょう。
2. インストーラーを実行
ダウンロードが完了したら、インストーラーをダブルクリックして実行します。インストールウィザードが表示されるので、指示に従ってインストールを進めてください。
3. インストールオプションの選択
インストール中にいくつかのオプションが表示されます。ここでは、デフォルト設定のままで問題ないことがほとんどです。ただし、Git BashやGit GUIを使いたい場合は、そのオプションを確認して選択するようにしましょう。Git BashはコマンドラインでGitを操作するためのツールで、Git GUIは視覚的に操作したい人向けのインターフェースです。
4. PATH環境変数の設定
インストール中のオプションに「Adjusting your PATH environment」があります。ここでは「Git from the command line and also from 3rd-party software」を選択すると、コマンドプロンプトや他のソフトウェアからもGitを使えるようになります。これを選んでおくのが一般的です。
5. インストール完了
インストールが完了したら、コマンドプロンプトまたはGit Bashを開き、git --version
と入力してGitが正しくインストールされたかを確認します。バージョン番号が表示されれば、インストールは成功です。
macOSにGitをインストールする手順
1. Xcodeを利用する方法
macOSでは、Xcode Command Line Toolsを使用してGitを簡単にインストールできます。ターミナルを開いて、以下のコマンドを実行してください。
xcode-select --install
これにより、Xcode Command Line Toolsがインストールされ、Gitも一緒にインストールされます。
2. Homebrewを利用する方法
または、Homebrewを使用してGitをインストールする方法もあります。Homebrewが既にインストールされている場合、次のコマンドを実行するだけです。
brew install git
Homebrewを使うと、常に最新バージョンのGitを簡単に管理できるので、こちらの方法もおすすめです。
LinuxにGitをインストールする手順
Linuxの場合、ディストリビューションごとにパッケージマネージャが異なりますが、以下のコマンドを使って簡単にインストールできます。
1. Ubuntu/Debianの場合
sudo apt update
sudo apt install git
2. Fedoraの場合
sudo dnf install git
3. Arch Linuxの場合
sudo pacman -S git
これらのコマンドを使えば、各ディストリビューションで簡単にGitをインストールすることができます。
Gitの初期設定
Gitのインストールが完了したら、最初に行うべきことは設定です。以下のコマンドでユーザー名とメールアドレスを登録しましょう。これらは、コミット(変更の保存)の際に使用される情報です。
git config --global user.name "Your Name"
git config --global user.email "your.email@example.com"
これで、Gitの基本的な設定は完了です。
Gitを使い始めよう
インストールと初期設定が終わったら、Gitを使ってプロジェクトを管理する準備が整いました。リポジトリを作成し、ファイルを管理し、コードの変更を追跡するなど、Gitの強力な機能をフルに活用して開発を進めましょう。
Gitは初めてのうちは少し難しく感じるかもしれませんが、使い続けるうちにその便利さと強力さを実感できるはずです。これからは、Gitを活用して効率的な開発環境を整えましょう!