nvm(Node Version Manager)は、Node.jsの複数のバージョンを簡単に管理するためのツールです。プロジェクトごとに異なるNode.jsのバージョンを使用する場合や、新しいバージョンをテストする際に非常に便利です。この記事では、nvmを使ってNode.jsをバージョン管理する方法を解説します。
[目次を開く]
1. nvmとは?
nvmは、Node.jsのバージョンを切り替えたり、異なるプロジェクトで異なるバージョンのNode.jsを使い分けたりできるツールです。通常、システムに1つのNode.jsバージョンしかインストールできませんが、nvmを使うと、複数のバージョンをインストールし、必要に応じて簡単に切り替えることができます。
nvmの主な機能
- 複数のNode.jsバージョンのインストール、切り替え。
- 特定のバージョンをデフォルトとして設定。
- プロジェクトごとに異なるバージョンを利用。
2. nvmのインストール
まず、nvmをインストールしましょう。MacやLinuxでは以下のコマンドをターミナルで実行します。
MacおよびLinuxの場合
curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.39.2/install.sh | bash
このコマンドは、nvmの最新バージョン(2023年現在は0.39.2)をインストールします。
インストール後、以下のコマンドを実行して、nvmを有効にします。
source ~/.bashrc # bashを使っている場合
または
source ~/.zshrc # zshを使っている場合
Windowsの場合
Windowsでは、nvm-windowsを使用します。公式サイトからインストーラーをダウンロードしてインストールします。
公式サイト: nvm-windows
上記の公式サイトよりnvm-setup.exe
をダウンロードし実行してください。

3. Node.jsのインストールと切り替え
nvmが正しくインストールできたら、Node.jsのバージョンを管理できるようになります。
インストール済みバージョンの確認
まず、nvmでインストール済みのNode.jsのバージョンを確認します。
nvm ls
インストールされているバージョンがリストされます。まだ何もインストールされていない場合は、インストールする必要があります。
Node.jsのインストール
次に、特定のバージョンのNode.jsをインストールします。最新のLTS(長期サポート)バージョンをインストールするには以下のコマンドを使います。
nvm install --lts
特定のバージョンを指定してインストールする場合は、バージョン番号を指定します。
nvm install 16.14.0
これで、指定したバージョンのNode.jsがインストールされます。
バージョンの切り替え
インストールしたNode.jsのバージョンを切り替えるには、以下のコマンドを使用します。
nvm use 16.14.0
これで、バージョン16.14.0のNode.jsを使用するように切り替わります。現在使用しているバージョンを確認するには、次のコマンドを実行します。
node -v
デフォルトバージョンの設定
特定のNode.jsバージョンをデフォルトに設定したい場合は、以下のコマンドを実行します。
nvm alias default 16.14.0
これで、ターミナルを開いたときに自動的にバージョン16.14.0が使用されるようになります。
4. バージョンのアンインストール
不要になったNode.jsのバージョンを削除するには、以下のコマンドを使用します。
nvm uninstall 16.14.0
これで、バージョン16.14.0のNode.jsがシステムから削除されます。
5. プロジェクトごとにNode.jsのバージョンを管理する
nvmを使うことで、プロジェクトごとに異なるNode.jsのバージョンを使用することも可能です。これにより、古いプロジェクトでは過去のバージョン、新しいプロジェクトでは最新のバージョンを使い分けることができます。
プロジェクトのディレクトリに移動し、適切なバージョンを使用します。
cd my-project
nvm use 14.17.0
特定のバージョンをそのプロジェクト用に設定することができます。次回そのディレクトリに移動すると、自動的に指定したバージョンが使用されます。
6. nvmでのNode.js管理のメリット
nvmを使うことで、次のようなメリットがあります。
- 複数のバージョンを簡単に管理: プロジェクトごとに異なるNode.jsのバージョンを使い分けることができ、互換性の問題を簡単に解決できます。
- アップグレードが簡単: 新しいバージョンがリリースされたときに、簡単にインストールし、切り替えることが可能です。
- 環境に依存しない: プロジェクトを異なるマシンや環境で動作させる際に、同じNode.jsバージョンをインストールし、互換性を保つことができます。
まとめ
nvmを使えば、Node.jsのバージョン管理が非常に簡単になり、複数のプロジェクトを異なるバージョンで開発する際にも柔軟に対応できます。特に、古いプロジェクトでの互換性を保ちながら、新しいプロジェクトでは最新の機能を活用したい場合など、nvmは開発者にとって非常に便利なツールです。
またnodeのバージョンを管理するツールは他にもたくさんありますが、個人的には、何か特別な理由がない限りは、シェアが高く日本語での情報が多いnvmを利用しておけば間違いないと思います。
この記事の手順を参考にして、ぜひnvmを活用したNode.jsのバージョン管理を始めてみてください。