Dockerは、コンテナ技術を活用したアプリケーションの開発やデプロイを効率化するためのプラットフォームです。さまざまなOSで利用可能であり、それぞれの環境に応じたインストール手順があります。本記事では、主要なOSごとにDockerをインストールする方法について詳しく解説します。
1. WindowsでのDockerインストール
- OS: Windows 10 (64-bit) Pro、Enterprise、またはEducation(バージョン1903以降)、またはWindows 11
- メモリ: 最低4GB
- CPU: 仮想化技術をサポートしている(BIOS/UEFIで有効化)
- Windows Subsystem for Linux 2 (WSL2): 推奨されるバックエンド
インストール手順
ステップ1: WSL2の有効化
- 管理者権限でPowerShellを開き、以下のコマンドを実行:
dism.exe /online /enable-feature /featurename:Microsoft-Windows-Subsystem-Linux /all /norestart
- 次に、仮想化技術を有効化するためのコマンドを実行:
dism.exe /online /enable-feature /featurename:VirtualMachinePlatform /all /norestart
- PCを再起動し、Linuxカーネルの更新プログラムを公式サイトからインストール。
- 最後に以下のコマンドを実行し、WSL2をデフォルトに設定:
wsl --set-default-version 2
ステップ2: Docker Desktopのインストール
Docker公式サイトから「Docker Desktop for Windows」をダウンロード。
CPUのアーキテクチャによってインストーラーが違うので注意してください。
CPUのアーキテクチャって何という方は以下のリンクからおさらいしましょう。
x64アーキテクチャ
AMDアーキテクチャ
- ダウンロードしたインストーラ(
Docker Desktop Installer.exe
)を実行。 - インストール中にWSL2をバックエンドとして選択。
- インストール後、Docker Desktopを起動して動作を確認。
動作確認
コマンドプロンプトまたはPowerShellで以下のコマンドを実行してテスト:
docker --version
docker run hello-world
2. macOSでのDockerインストール
- OS: macOS 10.15(Catalina)以降
- メモリ: 最低4GB
- CPU: Intelチップ、またはApple Silicon(M1、M2)チップ搭載
インストール手順
ステップ1: Docker Desktop for Macのダウンロード
- Docker公式サイトにアクセスし、「Docker Desktop for Mac」をダウンロード。
ステップ2: インストーラの実行
- ダウンロードしたインストーラ(
Docker.dmg
)を開き、アプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップしてインストール。 - インストール完了後、Docker Desktopを起動。
ステップ3: 初期設定と動作確認
Docker Desktopを起動すると、セットアップウィザードが表示されるので、指示に従って設定を完了。
以下のコマンドで動作確認:
docker --version
docker run hello-world
Apple Silicon(M1, M2)での注意
DockerはApple Siliconにも対応していますが、Intelチップ用のイメージを実行する場合、Rosetta 2を利用して動作させる必要があります。
3. LinuxでのDockerインストール
Linuxでは、さまざまなディストリビューションに対応したDockerのインストール方法があります。以下は代表的なディストリビューション(Ubuntu、CentOS、Fedora)向けの手順です。
Ubuntuでのインストール
ステップ1: 依存パッケージのインストール
ターミナルを開き、以下のコマンドを実行して依存パッケージをインストール:
sudo apt update
sudo apt install apt-transport-https ca-certificates curl software-properties-common
ステップ2: Docker公式GPGキーとリポジトリの追加
次に、Dockerの公式GPGキーを追加し、リポジトリを設定:
curl -fsSL https://download.docker.com/linux/ubuntu/gpg | sudo apt-key add -
sudo add-apt-repository "deb [arch=amd64] https://download.docker.com/linux/ubuntu $(lsb_release -cs) stable"
ステップ3: Dockerのインストール
リポジトリを追加したら、以下のコマンドでDockerをインストール:
sudo apt update
sudo apt install docker-ce
ステップ4: Dockerの起動と動作確認
Dockerサービスを起動し、自動起動も有効化します:
sudo systemctl start docker
sudo systemctl enable docker
動作確認として以下のコマンドを実行:
docker --version
docker run hello-world
CentOS/Fedoraでのインストール
ステップ1: 依存パッケージのインストール
以下のコマンドで必要なパッケージをインストール:
sudo yum install -y yum-utils device-mapper-persistent-data lvm2
ステップ2: Dockerリポジトリの追加
Dockerの公式リポジトリを追加します:
sudo yum-config-manager --add-repo https://download.docker.com/linux/centos/docker-ce.repo
ステップ3: Dockerのインストール
以下のコマンドでDockerをインストール:
sudo yum install docker-ce
ステップ4: Dockerの起動と動作確認
Dockerサービスを起動し、自動起動を有効化します:
sudo systemctl start docker
sudo systemctl enable docker
動作確認として以下のコマンドを実行:
docker --version
docker run hello-world
4. まとめ
Dockerは、Windows、macOS、Linuxといった主要なOS上で簡単にインストールして利用することができます。それぞれのOSに応じた要件や手順がありますが、インストール後は同じコマンドでコンテナを操作できるため、環境に関係なく一貫した操作性が提供されます。初めてDockerを使う場合でも、OSに応じた手順に従えばスムーズにインストールが可能です。Dockerを活用して効率的な開発環境を整えましょう。