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準委任契約と請負契約の違いとは?フリーランス・発注者が押さえるべき契約知識

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業務委託という言葉のもとに結ばれる契約には、実は「準委任契約」と「請負契約」という2つの主要な契約形態が存在します。この違いを理解していないと、トラブルの原因になったり、法的リスクを抱えることにもなりかねません。

本記事では、準委任契約と請負契約の本質的な違いや、それぞれの契約におけるポイント、どんな業務がどちらに該当するかについて詳しく解説します。特にエンジニアやデザイナー、マーケターなどのフリーランスや発注者にとって、重要な契約知識となります。

また本記事は、準委任契約および請負契約に関する一般的な情報提供を目的としており、法律上のアドバイスを行うものではありません。具体的な契約内容や法的判断が必要な場合は、弁護士や専門家にご相談ください。


[目次を開く]

準委任契約とは?

準委任契約は、民法第656条に基づく契約形態です。これは「一定の事務処理を他人に委任する契約」とされており、成果物の完成を目的としない点が最大の特徴です。

デジタル庁e-Govより

https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-Pa_3-Ch_2-Se_10-At_656

特徴
  • 業務の遂行そのものが目的
  • 成果物の有無は問われない
  • 成果に対してではなく、時間や労力に対して報酬が支払われる
  • たとえば、システムの開発支援、運用保守やコンサルティング業務、SNS運用代行など

つまり、「何を納品するか」よりも「何をやっているか」「どれだけ時間を使っているか」に重点を置く契約形態であり一般的には稼働時間の幅が定められています。

準委任契約でダブルワークをするのは契約違反なのかというところもよく問題になるところなので、そちらも抑えておきましょう。

準委任契約でのダブルワーク(兼業)と契約不履行のリスク

① ダブルワーク(兼業)に関する注意点

  • 契約内容の確認を忘れずに

    準委任契約では、委任された業務に専念することが期待される場合があります。契約書に「他の業務を同時に行わない」という条項があるかどうか、まずは確認しましょう。

  • 品質や納期への影響

    ダブルワークが原因で対応が遅れたり、十分な注意が払えなかったりすることで、業務の質や納期が損なわれる可能性があります。これは受注者としての評価や信頼にも関わります。

  • コミュニケーション不足のリスク

    複数案件を掛け持ちしていると、クライアントとのやり取りに遅延が生じることも。どの案件が優先順位かを契約時に明示しておくと安心です。

② 契約不履行(債務不履行)に関する考え方

  • 瑕疵(かし)ある業務遂行

    準委任契約では成果物ではなく「作業遂行」が主目的ですが、「善良な管理者の注意義務」(民法644条)に基づき、通常求められるレベルの注意や技術を持って遂行する義務があります。これに反するようなずさんな業務は、不履行に該当する可能性があります。

  • 重いペナルティの可能性

    業務が途中で放置されたり、明らかに悪質な作業遂行であれば、解除や損害賠償の対象になることも。特に連絡を取らずに放置する行為は、信頼関係の破壊につながります。

  • トラブル回避の要:適切な契約条項の整備
    • 業務の内容、遂行スケジュール、品質の基準、連絡義務などを明記
    • ダブルワークを許可する代わりに、「遅延が業務に影響した場合は報告義務あり」などの条項を設ける
    • 業務不能・遅延時の対応フロー(連絡・代替策など)を定めておくと安心です

項目 内容
ダブルワークの許可・制限 契約書に兼業可否と条件を明記
品質・納期への影響リスク 実行上の支障がないよう調整・報告義務
善良な管理者の注意義務 通常求められる水準での業務遂行
不履行による責任 放置・重大な瑕疵があれば契約解除や損賠の対象に
トラブル防止策 キャンセル・報告・対応の手順を契約で明確化

請負契約とは?

一方の請負契約は、民法第632条に規定されています。こちらは、特定の成果物や業務の完成を目的とする契約です。

特徴
  • 成果物の完成が目的
  • 納品物に対して報酬が支払われる
  • 完成責任があるため、成果が出なければ報酬は支払われないケースも
  • たとえば、Webサイト制作、アプリ開発、動画編集などの業務

請負契約では「いつまでに、何を完成させるか」というゴールが明確です。そのため、納品物の定義や品質管理も契約書でしっかり定めておく必要があります。


実務での違い:どちらを選ぶべきか?

たとえば、エンジニアにサーバー監視業務をお願いする場合、成果物があるわけではなく、継続的な業務提供がメインとなるため準委任契約が適切です。

逆に、あるアプリケーションの開発やWebサイトの納品といった明確な完成物がある場合は、請負契約が適しています。

要するに、契約の「ゴール」が何か?

それが「作業」か「完成物」かによって、選ぶべき契約形態は変わってくるのです。ただし、開発案件などでも開発支援として準委任契約でプロジェクトに参画することは往々にあります。というよりもフリーランスエンジニアのほとんどの案件が準委任契約による開発支援になるかと思います。


リスク管理の観点から

請負契約では成果が出なければ報酬が支払われないリスクがありますが、その代わり成果が出れば評価が高まります。

準委任契約では、報酬は作業時間に対して支払われるため安定感はありますが、「成果が見えづらい」といった課題もあります。

発注側としては、契約内容をあいまいにすると、後に「こんなはずじゃなかった」と揉める原因になります。受注側も、「どちらの契約形態か」を明確に理解し、必要に応じて契約書や業務委託契約書に明記しておくことが肝要です。


まとめ

項目 準委任契約 請負契約
目的 業務の遂行 成果物の完成
報酬 作業時間・内容に対して支払われる 成果物の納品に対して支払われる
リスク 成果がなくても報酬発生 成果がなければ報酬が出ない
運用保守、SNS代行 Web制作、アプリ開発

どちらの契約が良い・悪いではなく、業務内容に応じて適切な契約を選ぶことが最も重要です。

発注者・フリーランスのどちらにとっても、トラブルを未然に防ぐためには契約の理解が不可欠です。ぜひ自分の業務に照らし合わせて、適切な契約を選ぶようにしましょう。

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